フルサイズとAPS-Cと画角
いろんなサイトで、フルサイズとAPS-Cの画角の違いについて述べられていますが、そのほとんどのサイトがレンズについて述べていない。(メーカ公式ですら)
今回はフィルムカメラの話から入りますが、
一般的なフィルムカメラとして35mm判というフィルム(感光材料)の規格が普及しました。
その後、あまり普及しませんでしたが、24mm幅フィルム(アドバンストフォトシステム, APS)のCサイズという規格が作られました。
規格と基準というのは、人と人の意思疎通を図るのにとても便利であり、
カメラの世界では焦点距離と画角を35mm判の規格が基準として話をされます。
ちなみに少し話を脱線させると、オーディオの世界ではどこのスタジオに行っても
MDR-CD900STというSONYのヘッドフォンが置いてあるので、音作りの基準となるヘッドフォンとして有名です。
本題に戻りますが、時を経て、デジタルカメラが登場し、感光材料が撮像素子(イメージセンサ)となりました。そして35mm判フィルムと同サイズのセンサをフルサイズ、そしてAPSのCサイズと同サイズのセンサをAPS-Cと呼んでいます。(余談ですが、APS-Cと同サイズになったのはまったくの偶然らしいです)
フルサイズ用のレンズを付けたカメラの中に入ってくる情報(光)を考えた時、
レンズは円形ですから、イメージとしてはこんな情報(光)が入ってきます。
このうち、イメージセンサーに当たる情報(光)を取りだしたものを”写真”にするわけです。
つまりレンズ入ってきた情報(光)のうち、写真になるのは下図のようになります。
同じレンズに入ってきた情報(光)なのに、
出来上がった写真を見るとAPS-Cの方がより被写体を大きく写せていることがわかります。
仮に、このレンズの焦点距離を300mmとして
APS-Cに移っている範囲をフルサイズで取ろうとすると、35mm判フィルムカメラで、焦点距離480mm(Canonの場合, Nikonは450mm)のレンズが必要になります。
先ほど述べたように、焦点距離と画角の基準は35mm判フィルムカメラ(≒フルサイズ)にありますから、APS-Cの300mmで撮った写真の画角を“換算”480mmと表現します。
ここで、イメージセンサーに当たらなかった情報(光)に着目してみると、下図のようになります。
せっかくたくさんの情報(光)が入るフルサイズ用のレンズなのに、APS-Cで使用するとその情報(光)の一部しか使っていないことがわかります。もったいない!(煽り)
フルサイズ用の良いレンズを所有していて(所有できる余裕があって)、その情報(光)を最大限に生かしたい人、生かす必要がある人、これが僕の考える、「フルサイズを買うメリットを得られる人」です。